2017年3月11日土曜日

整体実技|マタニティ整体1

マタニティ整体1

前述の「骨盤ダイエット法」と重複する手技も多くあります。

第1節 出産前の整体

安定期に入るまでは、流産などの責任追及されることもあるので注意が必要です。
そのため、産婦人科医を希望する医学生も減少しています。

妊娠による身体の不調は、つわり・むくみ・肩こり・腰痛・頭痛などが起こります。
どうしても要望されて施療しなければならない場合は、安定期に入ってからソフトに行います。

① 施療の体勢

受者の体勢は、左横臥位=シムスの体位で行います。
シムスの体位とは、左横臥位で、右下肢の膝を軽く屈して前に出し、左上肢を身体の背後に軽く伸ばした体勢を言います。

仰臥位は、大きなお腹が子宮背部の動静脈を圧迫して脳貧血を起こす恐れがあります。
右横臥位は、上大静脈を圧迫して胎児の血流を阻害する恐れがあります。


② 禁忌(ソフトな押圧はOKといわれていますが、下記の経穴は安全のため行いません)

三陰交 … 内踝の頂点から上方3寸の脛骨後縁に取ります。
合谷  … 母指と示指の股の根本で、示指側のふくらみに取ります。
昆崙  … 外踝の頂点とアキレス腱の間に取ります。
肩井  … 頚椎と肩峰の中間で僧帽筋の縁に取ります。
至陰  … 足の小指の外側の先端(=爪甲根部)に取ります。
湧泉  … 足指を底屈してできる足底の深い窪み。 
腹部または足裏の子宮・骨盤の反射区


③ 施療法

母指の腹を広く使った母指圧・手掌の揉捏・押圧・軽擦などでソフトに施療します。

*単なる押圧でも、強く押圧すると、子宮が収縮して流産の原因となります。



第2節 産後の整体

1.産褥期とは… 妊娠・出産によって変化した母親の身体が妊娠する前の状態に戻るまでに6~8週間かかりますが、この期間のことを「産褥期(さんじよくき)」といいます。

2.子宮の回復… 出産後は、妊娠中に大きくなった子宮がどんどん収縮していきます。そのために分娩後数日間は下腹部に痛み(後陣痛)を感じますが、少しずつそれも軽くなり、体力も回復してきます。
4~6週間で子宮は妊娠前の元の大きさに戻ります。
授乳で乳首を吸われると、その刺激で子宮収縮が促され、子宮の戻りが早まります。

3.悪露とは… 産後しばらくの間は、子宮の内側や膣の傷口などから、粘膜・血液・分泌物が排出されます。これを「悪露(おろ)」といいます。

4.産褥期の身体の使い方… 無理をせず、できるだけ周囲の家族などに協力してもらって家事などの負担を減らしてもらいましょう。
また、母体の回復と、授乳のために、十分な栄養摂取が必要になります。
日常生活で注意することは、開いた骨盤をはじめとして、緩んだ身体を正しい位置に戻すために、左右均等の身体の使い方をすることが重要です。

5.産後の整体… 産後の骨盤ケアは、産褥が軽くなった時期から始めると良いでしょう。人によって違いますが、悪露が改善されてくる産後2週間後から可能です。


妊娠すると、リラキシンという靱帯弛緩ホルモンが分泌され、骨盤を始めとした全身の靱帯が緩みます。

緩んだ靱帯の代わりに筋肉が支えなければなりませんので、腰痛や肩こりなどの症状が出やすくなります。

産後は、骨盤が開いて一番緩んだ状態ですので、内臓が落ちやすくなります。
いわゆる、ポッコリお腹と下半身太りです。

しかし、産後は「健康な身体」となるチャンスなのです。
身体は緩んでいるので、歪みのない正常な状態(正体)に引き締めることが可能です。

文明の利器の発達で、現代人は、歩く・動く等という全身運動をあまりしていません。
筋肉や靱帯が昔の人達に比べて非常に弱いのです。

従って、骨盤ケアをしないと、歪んだままとなり、下半身太り・O脚・腰痛・肩こり・尿漏れ・便秘等を引き起こす原因となります。

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