2017年4月29日土曜日

開業者のための手技講座|古今東西の骨盤調整=厳選16手技【第五回配信】

その8 仙腸関節周囲の痛点解消と仙腸関節の調整

① 受者は伏臥位で膝関節と股関節を屈曲した体勢。仙骨関節側部の痛点を整圧し、股関節の屈曲・伸展を3~4回繰り返させます。屈曲させるときには押圧を弱くすることがコツです。深く屈曲させる必要はありません。痛くない範囲で屈曲させます。









仙腸関節部への手の当て方 ↓



② 次に、仙腸関節周辺の痛点がどこか分からないが仙骨周りが痛い場合の手技です。
受者は伏臥位で膝関節と股関節を屈曲した体勢。
操者は受者の仙骨を固定整圧して、股関節の屈曲と伸展を3~4回させます。
屈曲の時に押圧を弱めて下さい。深く屈曲させる必要はありません。痛くない範囲で屈曲させます。




この手技は、仙腸関節を調整し急性の腰痛にも効果があります。

この手技の後にゴムベルト等で仙腸関節を絞めるとギックリ腰でも歩けるほどになります。
巻く位置は大転子の上です。仙腸関節を絞めるように後ろで結びます。

ヘルニアや脊柱管狭窄症の場合は、ゴムバンドをすると今より痛みが激しくなる事があります。この場合は医者の分野です。






その9 腰部の痛点解消  活法の伝承手技

① 受者は横臥位。股関節屈曲位。
操者は受者の腰部痛点を整圧し、股関節の屈曲・伸展を繰り返させます。
屈曲させる時は少し押圧を緩めます。
























② 同じく受者は横臥位で股関節を外転位。操者は受者の腰部の痛点を整圧しつつ、股関節を外転・内転を繰り返します。操者の膝を使って外転・内転を手助けすることが重要です。
坐骨神経痛の痛みには、外転位で、痛みを抑制するため1分ほど持続圧で押し切ります。
慢性腰痛の場合は、時間をかけて苦痛を与えないように軽く行います。







③ 受者は横臥位で、前に出した下肢の股関節屈曲位で腰仙関節部・骨盤上縁を母指または肘で緩解します。
坐骨神経痛の痛みには、痛みを股関節屈曲位で抑制するため1分ほど持続圧で押し切ります。慢性腰痛の場合は、時間をかけて苦痛を与えないように軽く行います。










その10 腰椎・骨盤の揺身整体術活法の伝承手技
   
受者は横臥位で、上側の下肢を屈曲した体勢。
操者は片手で受者の上半身を上向きにし、他手で受者の坐骨を上方に押して揺らします。
左右行います。痛みがあればその側は行いません。
腰椎の捻れが改善されます。








2017年4月21日金曜日

開業者のための手技講座|古今東西の骨盤調整=厳選16手技【第四回配信】


その4 大腿後部の緩解 活法の伝承手技
 ⇒ 腸骨を後方回転させる筋肉を施療


① 受者は伏臥位。操者は受者の膝に軸圧をかけかかとを外方に倒し、股関節を内旋し、(下図では、足底を時計廻りに回旋して)膝関節を内旋します。

内転筋群・半膜様筋・半腱様筋を意識して押圧揉捏で緩解します。






② ①と同様に、膝に軸圧をかけ、膝関節外旋(下図では受者のかかとを逆時計回りに回旋)・股関節外旋(受者の膝を内側に倒し)し、大腿二頭筋を押圧揉捏で緩解。







③ 腸骨の後方回転変位が顕著な場合や慢性腰痛症状の場合の療法です。

受者は伏臥位で膝関節を屈曲した体勢。操者は受者の膀胱経・腎経に膝で圧します。

各々の経絡は坐骨の直下から2~3点に、10秒程度の持続圧で施療します。








その5 大腿側部の緩解  活法の伝承手技
⇒ 腸骨を側方に拡大させる筋肉を施療

① 股関節外転外旋、操者の大腿部で受者の股関節に軸圧をかけ腸骨外縁の大腿筋膜張筋・中臀筋・小臀筋を施療します。




② ①の応用手技です。

骨盤を側方に拡大する筋肉群を緩解します。
受者は伏臥位。膝関節を屈曲し、股関節を外転外旋して膝を立てた体勢。
この体勢は、梨状筋を始めとした外旋六筋・大腿神経・坐骨神経・大腿動静脈が最も緩んだ状態です。特に、大腿筋膜張筋・中臀筋・小臀筋を中心に施療できます。
この体勢は下半身の血流や神経の通じが最も良くなる体勢ですので、下腿三頭筋に過緊張がある場合はこの体勢で施療すると効果的です。受者がこの体勢をとることに無理がある場合や、操者が未熟な場合は逆効果となりますので注意が必要です。







その6 大腰筋の緩解 活法の伝承手技
⇒ 腰椎を前方変位させる筋肉を施療

受者は伏臥位で、膝を屈曲した体勢。
この手技では、操者は受者の下肢をストレッチする時に、仙腸関節が開かないように臀筋群を仙腸関節に向かって押圧しておくことが重要です。仙腸関節を無理に開くと腰痛は悪化しますので注意が必要です。操者は受者の股関節を伸展・内旋します。
その体勢から、受者の股関節を外転しながら腸腰筋をストレッチします。






     
その7 梨状筋など外旋六筋の緩解  ⇒ 股関節を外旋させ、骨盤を開く筋肉を施療

受者は伏臥位。膝を90度に屈曲し、内旋した体勢。
操者は片方の手で受者の梨状筋等外旋六筋に手掌または母指でアプローチします。他手で受者の足裏を把持し、股関節が内旋するように意識して膝から上の下腿部を回旋します。外旋六筋が過緊張すると、股関節は外旋して前方変位となり、更に、骨盤を開いて内臓が下垂してぽっこりお腹の下半身デブとなります。

     

2017年4月13日木曜日

開業者のための手技講座|古今東西の骨盤調整=厳選16手技【第三回配信】

この正体術(昔はこのように言われました。整体術となったのは戦後です)は、大正から昭和の初期に、正体術普及協会で活躍された、高橋迪雄先生が創始された健康法を参考にした手技療法です。



その2 臀部の多重の歪み解消テクニック


高橋迪雄師の正体術矯正法とは、歪んだ体を、正しい姿勢にしたままあるいは少し矯正方向への姿勢をとらせたままで、膝や脚を数センチあげて落とし自身の体に軽いショックを与えることでその姿勢を保たせようという方法です。


受者は伏臥位で下の体勢。
先ず、屈曲して前に出した膝を持ち上げて、しばらく維持しパタンと脱力させます。
次に、受者に後側の膝を持ち上げて、少し維持させた後に脱力させます。
最後に、その体勢で胸部から腰部まで上から下に手掌圧で施療します。
この手技は左右行います。



以下は,活法の手技から考案された手技ですが、

手技により、ゾーンセラピー理論に準拠している手技でもあります。
  内側の痛み・コリ ← 患部から離れた内側の施療で改善  
  外側の痛み・コリ ← 患部から離れた外側の施療で改善
 
William Fitzgerald博士のゾーンセラピー理論は臨床的に確認されています。) 


骨盤の同じ筋肉を緩解するにも色々独特な体勢で行うのは、下腿部・腹部・肩上部・前胸部などに連動させて過緊張を緩解させるためです。




その3 腰臀部の緩解 活法の伝承手技

① 受者は伏臥位。操者は受者の肩を下方に整圧しながら、臀筋群と腰部の一・二・三側線を肘圧で施療します。

慢性の症状の場合は腰椎のみでなく胸椎まで行います。

仙腸関節の外側で腸骨の内縁を行い、腰仙関節から腰椎上部に向かって施療します。






  
② 痛みやコリのある側から対側にリズミカルに押圧を繰り返します。

腰椎棘突起から胸椎棘突起に手根で押圧して揺らします。

45度対側下方に椎骨を動かすように、手根の幅で腰椎から胸椎まで各々50回程度揺らします。

脊柱起立筋を緩解し、椎間関節の歪みを調整します。






2017年4月9日日曜日

開業者のための手技講座|古今東西の骨盤調整=厳選16手技【第二回配信】

では、亀井先生の手技を「腰部のどこが痛いのか?」で施療法を紹介します。



A.  L1の腰痛の施療法
                 
先ず、健側の順捻転アジャスト、次に、患側の順捻転アジャスト。

次に、受者は仰臥位。操者は痛い側に位置し、受者の肩を痛みがある側に引き寄せて背中を曲げます。
膝と股関節を屈曲し腹部に押しつけて左右に揺さぶります。骨盤と肩が挙がらないよう注意しないと効果がありません。最後に、患側の逆捻転アジャスト。



B.  L2の腰痛の施療法  



先ず、健側の順捻転アジャスト、次に、患側の順捻転アジャスト。

受者は伏臥位で膝を揃えて曲げた体勢。
痛い側の踵は臀部につきにくいはずです。痛くて臀部に踵がつかない場合は、受者の両足を操者の膝で押さえ、L2の一側線を母指で整圧しながら臀部に押しつけていきます。痛い側の足を下にして臀部に両踵がついたら左右に揺すります。

最後に、患側の逆捻転アジャスト。



C. L3の腰痛の施療法

先ず、健側の順捻転アジャスト、次に、患側の順捻転アジャスト。

受者は伏臥位で膝を外方に45度開いた体勢。
片手で骨盤を固定しながら他手で膝を持ち上げます。
L3に故障があると痛くて持ち上げるのが困難です。少しずつ揺らしながら膝を持ち上げます。上げさえすれば鎮痛します。

最後に、患側の逆捻転アジャスト。



D. L4の腰痛の施療法
                         
先ず、健側の順捻転アジャスト、次に、患側の順捻転アジャスト。

受者は仰臥位で健側の下肢を固定して、患側の下肢を挙上します。挙上できれば痛みは鎮静します。膝を曲げないように少しずつ行います。外方に45度開いた体勢。片手で骨盤を固定しながら他手で膝を持ち上げます。

最後に、患側の逆捻転アジャスト。




E. L5の腰痛の施療法

先ず、健側の順捻転アジャスト、次に、患側の順捻転アジャスト。

受者は伏臥位で下肢を45度に開き、下肢を外旋すると痛くて回旋できません。患側の下肢を牽引しながら外旋して振動を与える事を繰り返します。

最後に、患側の逆捻転アジャスト。




F. 腰仙関節痛の施療法

先ず、健側の順捻転アジャスト、次に、患側の順捻転アジャスト。

操者は患側の対側に位置します。受者は仰臥位で患側の下肢を曲げて、足首を健側の足首に重ねます。
患側の膝を圧しながら受者の上半身を手前に回旋させます。
患側の下肢を牽引しながら外旋して振動を与える事を繰り返します。

最後に、患側の逆捻転アジャスト。






G.  仙腸関節痛の施療法

痛みを止めるには、先ず、健側の順捻転アジャスト、次に、患側の順捻転アジャストが大切です。

仙腸関節に異常があると、伏臥位で顕著に観察できますが、多くの症例で臀部の片側が外方に張り出します。
受者は仰臥位で患側(側方に張り出している臀部側)の下肢の足首を持ち、反対側に牽引しながら振動させます。
受者は足裏で受者の骨盤下部を押さえて、背骨を少し横に曲がった体勢を取ります。
その体勢で下肢を牽引しながら揺さぶりを繰り返します。

最後に、患側の逆捻転アジャスト。