2017年2月20日月曜日

整体教養論|内臓体表反射

伏臥位で患者さんの上半身を触診して内臓の調子を診ます。
整体師にとって患者さんの健康を維持する重要な理論です。

内臓の不調は、背中など身体の表面に反射して、コリや痛みとなって現れることを、内臓体表反射(ないぞうたいひょうはんしゃ)と云います。

逆に、体表のコリや痛みを施療すると、内臓の機能増進に効果があることを、体表内臓反射(たいひょうないぞうはんしゃ)と云います。

整体法は、人体のこのような生理的反射を利用して施療します。

東京女子医科大学成人医学センター所長の横山泉医学博士は、腰背部の内臓体表反射について次のように発表しています。

背中を押されて「気持ちが良い」と感じたら身体の不調の現れ、「痛い」「感覚がおかしい」と感じたら病気の前触れかもしれません。
これらは身体の異常を知らせる危険信号なのです。


整体法では、肩こり・腰痛・頭痛・慢性疲労など表面的な症状でも、大元の内臓の不具合を推定して施療することも重要です。

背中の内臓の反射部位は必ず覚えておきましょう。
背中を整体法で施療しているときに、患者さんの背中のコリや痛みを感知できればこの患者さんのどの内臓が疲れているのかが推定できます。

背中は、中枢神経である脊髄が通っていますので、それから枝分かれして内臓や筋肉などを管轄する末梢神経が集中しています。
身体の変調を最も早く知らせる場所なのです。

参照
  内臓体表反射と類似のものに、トリガーポイントというものがあります。
  例えば、胸鎖乳突筋の拘縮に伴う圧痛点が原因で頭痛が起きる、大腿四頭筋の圧痛点が原因で膝痛になると云う反射もあります。

1.心臓
心臓が働き過ぎです。
動脈硬化や高血圧に注意しましょう。


.胆嚢
意外かもしれませんが胆嚢です。
背中に現れる痛みやコリは内臓の位置と一致するわけではありません。
狭心症は左胸だけではなく、左脇の下から左腕内側に痛みが出る場合もあるのは有名です。


3.胃
腹八分目の節度ある食事を心がけましょう。
プチ絶食なども効果的です。


4.肝臓
良く寝ることと高タンパクの食物を摂ることが大切です。
立って仕事などをすると、血液が肝臓に充分に補給されず、肝臓を修復するために時間がかかります。
とにかく寝ることが大切です。身体を横にすることで肝臓に循環する血液量が増大します。また、肝臓はタンパク質でできていますので、肝臓を修復するには良質のタンパク質が必要なのです。

5.膵臓
膵臓の神経は、胃のすぐ下にあります。
アルコールを飲み過ぎたり、油っぽい食物を摂りすぎた後に、背中が痛くなったら膵臓の使いすぎです。

6.十二指腸
脾臓ではなく十二指腸です。
十二指腸には、胆嚢から胆汁が、膵臓から膵液が分泌され、食物の消化に関わる重要な器官です。
また、精神的ストレスにも影響を受けやすく、十二指腸潰瘍などになりやすい器官です。


7.腎臓
腎臓が不調になると、腎臓に沿って痛みが出る場合と脇腹の裏側に出る場合があります。
腎臓には、タンパク質の分解産物や塩分を体外に排出する機能がありますが、弱っているときはタンパク質や塩分の摂取を制限しましょう。
女性に比較的多い腎盂炎では脇腹の背中側を軽くたたくと飛び上がるほどの痛みを感じます。
むくみを伴うときは腎炎の疑い、何もしないのに突然差し込むような痛みは腎結石の疑いがあります。


8.骨粗鬆症
女性の骨粗鬆症は閉経機を境に増加します。
女性ホルモンの不足で骨の形成が遅くなるためです。
脊椎の棘突起を押してチクチクした痛みを感じたら、骨粗鬆症の疑いがあります。
目に見えないほどの非常に微少な骨折がある時に、このような背骨の痛みを感じます。
なってしまったら、女性ホルモン療法が効果的と云われます。


9.膀胱・大腸・小腸・子宮・精巣
最も多いのが大腸・小腸の疲れです。
慢性的にコリがある女性の場合は婦人科系の疾患にも注意が必要です。



* 痛みだけでなく、「かゆみ」も病気の前兆です。
   貧血症・腎臓病・糖尿病の疑いもあります。

 全身にかゆみが起こり、まぶたの裏側が白い時は、貧血症の疑い。
 身体と顔色が悪く、全身に頑固なかゆみがある時は、腎臓疾患の疑い。
 全身に強いかゆみがあり赤ら顔でほてりがある場合は、糖尿病の疑い。

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