2017年2月26日日曜日

整体教養論|身体の歪み

第1節 背骨は歪み、身体が不調を来す

 一般的に、背骨とは、頚椎から胸椎・腰椎・仙骨・尾骨までを云います。背骨は椎骨と云われる骨が積み重なって出来ています。そして、背骨(せぼね)は脊髄と呼ばれる全身の感覚・運動を司る神経を保護しています。

 脊髄は背骨の左右前後から31対の神経が出て、身体の隅々まで張り巡らせて筋肉や内臓などを統括しています。

 私達はこの背骨(せぼね)のお陰で身体を前後左右に曲げたり、立って歩いたりすることが出来ます。

 このように柔軟に出来ていると云うことは、歪み(ゆがみ)が起きやすいことの裏返しなので、姿勢が悪い、ケガ、ストレス、偏った運動、暴飲暴食などで背骨の一部に負担がかかると歪みが起こります。

 そして、脊髄からでた神経に影響を及ぼし、腰痛・肩こり・頭痛などの障害が現れ、そのまま放置していると内臓器官まで重篤な病気になる可能性もあります。

 私達は、日常生活の中で、歩くことや姿勢を正す機会が少なく、ストレスにさらされ、バランスを欠いた栄養過多の過食状態に陥り、運動不足の傾向にあります。
 このような生活習慣や偏った社会生活で股関節や骨盤が歪むと背骨も歪みます。背骨が歪むと骨盤や股関節にも影響が現れます。

 結果として、前述したように、肩こり・腰痛・頭痛・生理痛などの身体の障害が現れてきます。そして、そのまま放置していると重篤な病気になる可能性もあります。

 そのような身体の歪みを調整して自然治癒力を回復させるのが整体などの代替医療です。ちなみに、欧米ではカイロプラクティック・オステオパシーなどの整体は医師の国家資格です。

 「未病」と云われる、お医者さんに行っても病気とは云われず、そうかと云って体調が良くない状態には、整体などの代替医療が効果を発揮しています。

骨格が歪むと太りやすくなる?
 歪みと肥満は大きな関係があります。消化や筋肉運動の関わる神経が傷害されることにより、消化器官や筋肉の働きが阻害され、エネルギー代謝が悪くなり、下半身デブ・O脚・ぽっっこりお腹などのやせにくい身体になってしまうのです。

むくみやたるみも歪みが原因?
 体型の悩みを持つ人達は多いけれども、その多くは身体の歪みが原因です。
 むくみやたるみも、身体の歪みによって内臓機能が低下して、水分代謝・脂肪代謝などが悪くなるために起こる現象なのです。

ぽっこりおなか・垂れ尻・O脚・X脚などの体型も歪みが原因?
 骨格の歪みが骨盤に出れば、内臓が下垂してお腹がたるむし、骨盤が緩めば尻は垂れるし、骨盤や股関節が歪めばO脚やX脚など足のラインに影響します。

ストレスも身体を歪ませる?
 悲しみや精神的ストレスは、うなだれた姿勢になりやすく、身体は歪みやすくなります。また、ストレスは、消化器官の働きを悪くし、心臓など循環器を異常に働かせます。こうして、医学的には内臓体表反射と云って背骨の歪みに関連します。

性格が歪みを作る?
 歪みの傾向を見れば、その人の性格も分かる?!
 胸を張っている人、前かがみでうつむきかげんな人等をみると、ある程度性格が分かると一緒で、身体の歪みで性格が類推可能なのです。


第2節 歪みのパターンとなりやすい病気                            

歪みの検査法  (1)と(2)の検査法を合わせて行い歪みを推定します。

(1)足踏みチェック
 目を閉じて、50回その場で足踏みをします。手を大きく振り、ももを高く上げます。
 足はどの方向にズレましたか?
 基本形は次の6パターンです。

大きく分類すると、つぎのパターンがあります。

① 前傾(ぜんけい) ② 後傾(こうけい) ③ 左傾(さけい) ④ 右傾(うけい)   
⑤ 左回旋    ⑥ 右回旋  ⑦ 複合型 … ①から⑥が合併した歪み

(2)動作チェック

 目を閉じて、1分間、両足のつま先を揃えて立たせます。
 平衡感覚を失い、身体の歪みの特徴が出ます。ロンベルグ現象と言います。

① 前傾  自然に前後に動く動作が現れ、前傾動作が多くなります。
② 後傾  自然に前後に動く動作が現れ、後傾動作が多くなります。
③ 左傾  自然に左右に動く動作が現れ、左傾動作が多くなります。
④ 右傾  自然に左右に動く動作が現れ、右傾動作が多くなります。
⑤ 左回旋 自然に左回旋動作が多くなります。
⑥ 右回旋 自然に右回旋動作が多くなります。



歪みパターン別の特徴
 不思議なことに歪み方によって性格やなりやすい病気の傾向があります。それは、同じような脊柱の曲がり具合では、自律神経も同じような影響を受けると考えられます。

① 前傾   感情より理屈を優先するタイプ
つま先に重心があり腕と膝が身体の前に出ています。
背が高くやせた人に多い。
背筋が伸びて姿勢がよく見えますが、背中や腰に緊張があります。
胃の疾患に注意。
  
② 後傾   内向的で几帳面なタイプ
かかとに重心があり身体全体が後ろに傾き顔はうなだれた姿勢です。
丸みをおびてふっくらした体型に多い。
上背部と肩に緊張があります。
狭心症や高血圧症に注意。

③ 左傾   積極的で理論より感情を重視するタイプ
左肩と左腰が下がり、頭は右に傾いています。重心は左足。
胃腸が丈夫なので、食べ過ぎに注意。
糖尿病や心臓病に注意。花粉症やアレルギー疾患にも注意。


④ 右傾    理論より感情を重視するが内向的なタイプ
右肩と右腰が下がり、頭は左に傾いています。重心は右足。 
肝臓病に注意。  



⑤ 左回旋   協調的な性格だが優柔不断なタイプ
上体が左にねじれ、右肩が前に出ている。疲れるとあごを左斜めに突き出す傾向。
腎臓・膀胱など泌尿器の病気に注意。


⑥ 右回旋    行動的・闘争的で負けず嫌いなタイプ
上体が右にねじれ、左肩が前に出ている。疲れるとあごを右斜めに突き出す傾向。
腎臓・膀胱など泌尿器の病気に注意。

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