2017年2月15日水曜日

整体教養論|医食同源

整体師の研修になぜ食べ物について学習する必要があるんだ?
こう思う方もいるかもしれません。しかし、大いに関係ありなのです。

整体師は健康を回復維持するお手伝いをするわけですが、整体のみでは限度があります。

例えば、こういうこともあります。
夜中に「こむら返り」が起こって困っている患者さんがおりました。
経絡経穴療法でその場での回復は可能ですが、根本的にはマグネシウム不足によることが多いのです。これを知っていて、健康アドバイザーとしての役目を果たせるかどうかがあなたの整体師としての評判が、良くなるか悪くなるかの分かれ目です。

もう一つ大切なことは、整体師自身が健康でなければお客様は誰も来ません。
整体師自身も、食生活に気をつけて何時までも若々しく健康でありたいものです。

整体師が、毎日5、6人の患者さん施療すれば、スポーツクラブにお金をもらって通っているようなものです。少々の過食過飲では健康を害しません。
しかし、栄養に気をつけなければ健康を害しますし、早く老います。


第1節 栄養素

人体にとって特に大切な栄養素があります。これは三大栄養素と言われます。
 三大栄養素とは  …  糖質・蛋白質・脂質をいいます。細胞を新しく生まれ変わらせたり、身体を動かすエネルギー源となります。但し、これにビタミンとミネラルが関わることで機能します。 
   
どんなに栄養をとっても、ビタミンとミネラルを摂取しなければ円滑な生命活動が   できません。

身体に取り入れられた三大栄養素は、胃腸や肝臓などで分解や合成といった代謝を   繰り返し、体内で活用されることになりますが、その分解や合成に酵素が関連しま   す。更に、酵素はビタミンとミネラルにより活性化されます。


代謝(分解・合成)→    食物の栄養素から、肉や骨を作り、生命活動するエネルギーを
合成します。

新しく細胞を作る、生きる・動くためのエネルギーを作る、健康を維持する、 病気から身体を守る


第2節 三大栄養素をスムーズに働かせるビタミン

脂溶性 …油に溶ける性質を言います。ビタミンA、D、E、K等で体内に長くとどまるので、摂りすぎると過剰症の恐れがあります。

水溶性 …水に溶ける性質を言います。ビタミンB群、C等で余った分は排泄されるので、まめに摂取する必要があります。

 ビタミンC(アセロラ、イチゴ、ブロッコリーなど)
 シミ、しわ、肌荒れを防ぎ、コラーゲンを生成するなどの美容効果があります。
 風邪予防、老化を促す活性酸素除去など抗酸化作用があります。

  ビタミンA(緑黄色野菜、ウナギ、レバーなど)
 疲れ眼やドライアイ、肌荒れや皮膚の角質化など目や肌の健康維持に効果があります。
   植物性はβカロテンやαカロテン、動物性はレチノールで、ビタミンAの種類が違い  ます。レチノールなどの過剰摂取は、頭痛やめまいなどを引き起こしますので注意が  必要です。 

 ビタミンB群(肉、レバー、魚、豆類など)
   ビタミンB1、2、6、12、パントテン酸、ナイアシン、葉酸、ビオチンの8種類。
   三大栄養素がエネルギーに変わるには酵素の働きが欠かせないが、酵素の活性化に関 わるビタミンの中でも特にビタミンB群は、1つでも欠けると糖質が代謝されず疲れ  やすくなったり、脂肪が燃焼されず体脂肪になったりします。水溶性なのでこまめに摂る必要があります。

 ビタミンD(キノコ類、魚、肉類など)
   骨や歯を作るカルシュウムと関連が深く、紫外線を浴びることで体内合成されます。
   食事からのカルシュウムの吸収を助け、骨の形成を促すほか、必要に応じて、骨から カルシュウムを取り出す役目をします。

 ビタミンE(植物油、ナッツ類、小麦胚芽など)
   ビタミンC、βカロテンと並び、抗酸化ビタミンとして知られています。
 血管の老化を防ぎ、動脈硬化や心臓病など生活習慣病予防に効果があります。

 ビタミンK(納豆、海藻、緑黄色野菜)
 ビタミンD同様に骨の形成に関わるビタミンです。骨粗鬆症の治療薬として認可されています。 ビタミンDが骨からCaを取り出すのに対して、ビタミンKは骨からCaが流出するのを防ぐ働きをします。

第3節 身体を構成し強化するミネラル
      (ミネラルとは、大地や海から受け継がれた無機質を言います)

ビタミンとともに身体の潤滑油として働くとともに、赤血球の鉄、骨のカルシュウムなど身体の構成・強化の役を担います。

 カルシュウム(干しエビ、小魚、乳製品など)
   丈夫な骨や歯を作ります。
 神経伝達を正常に保ちます。
 筋肉の運動は筋細胞にカルシュウムが取り込まれることで起こります。
   加工食品や清涼飲料水に多いリンを摂りすぎるとCaの吸収を妨げます。

  マグネシウム(海藻類、豆類、ナッツ類、玄米など)
  骨を作るときCaと一緒に働きます。
  筋肉の収縮はCaが筋肉細胞に入ることで起こりますが、その量を調節して筋肉を緩  めるのはMgです。Mgが不足してCaが入りすぎると、筋肉が正しく収縮せず、痙  攣や震え、不整脈を引き起こします。
   Caは不足すると骨から溶け出して使われることになります。

 鉄(ひじき、レバー、緑黄色野菜など)
   赤血球の成分であるヘモグロビンの構成要素となり、人体各部に酸素を運びます。

 銅(干しエビ、イイダコ、するめ、牛レバーなど)
   鉄がヘモグロビンの構成要素になるためには、その合成を助ける銅が不可欠です。
 酵素の機能に関わり、コルステロールや糖の代謝など色々な作用を持ちます。

 亜鉛(牡蠣、小麦胚芽、レバーなど)
 細胞分裂を正常に保つ働きがあります
        → 味蕾細胞・毛母細胞の再生→味覚や育毛に関連
   免疫力を高め、生殖機能を正常に保ちます。別名、セックスミネラルとも言われます。

  セレン(魚介類、大豆、肉類など)
  肝臓で抗酸化作用を発揮するので、飲酒機会の多い人は、アルコールによる消費の激  しい亜鉛とともにセレンを摂取すると良いと言われます。

  クロム(穀類、海藻類、魚介類など)
  血液中の糖をエネルギーに変えるのはインスリンですが、その働きを活性化します。    脂質の代謝を促進するので動脈硬化や高血圧を予防します。

  マンガン
 肝臓で働く酵素の活性化や、蛋白質、糖質の代謝に関わります。

 モリブデン
 尿酸の代謝や脂質、糖質の代謝に関わります。

 ヨウ素
 甲状腺ホルモンの生成に必要なミネラルです。


第4節 生命力の源泉である酵素

* 生命があるところには必ず酵素があります。

* 植物も動物も、誕生・成長・そのための生命維持活動は、酵素が司ります。

* 長寿と健康維持は、体内に酵素を十分保てるかどうかで決まります。

* 体内酵素の欠乏や消耗が、老化や免疫力の低下を引き起こします。

* 酵素の大部分は腸内細菌が作りだし、正常体温で活発に働きます。

* 酵素はミネラルのまわりにタンパク質が付着したもので、体内酵素の補充には食物 から酵素を多く含む食物を取れば合成に大きなエネルギーを使わないで済むのです。

* 体内酵素をできるだけ消耗しない生活や食事をすることが大切です。

        ① 食物の消化のために多量の酵素が使われます。
          腹八分目は健康と云われるのはこの為です。
       
        ② 食品添加物・薬品・農薬・電磁波などの解毒で生じる活性酸素を解毒する のにも酵素が使われます。
       
        ③ ケガや病気に気をつけることが大切です。
          傷や病気を治すのに大量の酵素が必要です。
       
        ③ 体内酵素の大部分を作り出す良い腸内細菌を保つ生活をすしましょう。
       
          腸内細菌には、
      善玉菌(ぜんだまきん)・
      悪玉菌(あくだまきん)・
      日和見菌(ひよりみきん)があります。

善玉菌には、ビフィズス菌・ラクトバチルス菌等があります。悪玉菌には、ウェルシュ菌・ブドウ球菌等があります。日和見菌は、大腸菌の種類などで、普段は人体の害にはなりませんが、腸内状況によって悪玉に作用するものです。


第5節 腸内細菌の働き
                 腸内細菌は、成人で約1kg腸内にあります。

善玉の腸内細菌は、
* 大部分の酵素を作ります        
* ビタミン、葉酸、ニコチン酸などを合成します
* ホルモンを合成します                
* 悪玉菌をおさえて腸内腐敗を抑制します
* 発ガン物質の分解をします
* 栄養分の消化補助をします
鉄分・カルシウムを吸収しやすくする、糖・脂肪の代謝を助ける、タンパク質    ・糖類の分解、セルロースの分解など
* 病原菌感染から防衛します
悪玉菌が住み着けない環境を作り、免疫機能促進


第6節 基礎代謝

酵素が活発に働く体温は約37度なので、冷え気味の人は身体を温め、排泄を促す食事をすることが大切です。
 
腋窩部(えきかぶ)体温が36度未満の人は風邪を始めとした様々な病気に冒されやすいと云われています。

基礎代謝(生きているだけで使用されるカロリー)を上げる努力をしましょう。

消費エネルギーを3つに分けると・・・

基礎代謝量(60%) …生命維持するための基本的なエネルギー消費分  
生活活動代謝量(30%)    …生活活動や運動で消費されるエネルギー
食物吸収時のエネルギ-(10%) …摂った食事を消化吸収のとき消費されるエネルギー


■ダイエットの決め手は、基礎代謝を上げることです。

食べる量は同じなのに、自分だけ太ってしまう場合は、たいてい基礎代謝が関係しているようです。基礎代謝の中でもっとも消費量が多いのが筋肉です。

身体の組織の約40%は筋肉でできていて、筋肉の量が多いほど、基礎代謝量はアップし、消費エネルギーは大きくなります。従って、同じ体重の人が同じ量を食べても、結果に差がでます。いくら頑張ってもやせられない人は、基礎代謝が低いのが原因です。

基礎代謝は生後、成長するにつれて高くなり、20歳前後をピークにその後は徐々に減っていき、個人差はありますが、一般に40歳を過ぎると急激な下降線をたどります。これは加齢によって筋肉が衰えて減少してしまうからです。

また、女性は男性より基礎代謝が低い傾向にあります。女性は妊娠・出産という大切な役目があるため、男性よりも多くの体脂肪を蓄えており、筋肉量が少ないことが原因です。

今、巷で云われる、メタボリック症候群も体温が低い人は注意が必要です。

基礎代謝が低く体温の低い人は、身体を温めることにより、健康を維持しなければなりません。
下半身浴や食事療法で身体を温めることが大切です。

整体・マッサージも基礎代謝を上昇させます。これは整体の宣伝に大切ですね…。

■免疫力を高める為には、体温の上昇が絶対必要条件です。

風邪をひくと私達は熱を出します。
この状態は、キラー細胞を活性化して、風邪の菌に対して攻撃をしている状態なのです。

身体を冷やさなければ、キラー細胞は外敵に何時でも対応できる状態になっているのです。
身体を冷やすと、キラー細胞は風邪を始めとした色々な菌に負けてしまします。

身体を冷やすと血管が収縮して体温を逃がさないようにします。
ただでさえドロドロの血液の人は、血流が悪くなり,キラー細胞の活躍を阻害して、ガン細胞などの増殖を促してしまうことにもなるのです。


■腋窩体温の自然治癒力への影響

36.5℃以上⇒きわめて健康。新陳代謝が活発で、健康で活動的、免疫力も高く、ほとんど病気をしない状態です.。

36.4℃以下⇒健康と不健康の間で、体調や環境に影響されます。

35.6℃以上

35.5℃以下⇒低体温。自律神経失調症が原因で内臓機能低下。新陳代謝が不活発になりアレルギー体質に成りやすい状態。
                   
癌は35℃以下を好むので、それ以下になると遺伝子の誤作動が多くガン体質となります。

34℃以下⇒生死の境   身体は硬直して、自分の意思では身体が動きません。

33℃以下     ⇒死


第7節 食養生(しよくようじよう)と血液浄化に関係

冷えは血液を汚すと言うことは学習しましたよね…。

食べ物で身体を養生して血液を浄化できます。

身体を温める食物や身体の不要物を排泄する食物を摂取しましょう!


身体を温める食べ物 ⇒ 身体の中の不要物を燃焼させる ⇒  血液を浄化する
排泄を促す食べ物  ⇒ 身体の中の不要物を排泄する  ⇒ 血液を浄化する


東洋医学では昔から伝えられている食材です。

身体を温める…
 人参・ショウガ・ゴボウ・レンコン・ネギ・タマネギ・山椒(さんしよう)・
          山芋(やまいも)・唐辛子・陳皮(ちんぴ)・ゴマ・しそ
利尿作用…
 小豆・キュウリ・スイカ・生銀杏(ぎんなん)(焼くと頻尿(ひんによう)に効果)

血糖値を下げる…
 山芋(八味地黄丸の主成分)・タマネギ・甘藷(かんしよ)の蔓(つる)と若葉

緩解(けんげ)作用(便通…
 アロエ(冷え性の人は煎じる)・乾燥プルーン・ほうれん草

解毒作用…
 タマネギ・リンゴ・人参

通風(つうふう)・結石(けつせき)…
 セロリ

胃痛… ニラの絞り汁は胃痛に良い
安眠… 乾燥ナツメを煎じる
 


病気の主な原因は「冷え」にあります。
冷えは血液を汚します。
冷えは免疫力を低下させます。

整体は、体温を上げて、免疫力を高めます。
整体は、血行をよくして、運動不足を補い、血液の浄化を助けます。

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