2017年2月23日木曜日

整体教養論|病因と治癒の理論

血液・リンパの循環不良を改善することが自然治癒力を増進することを学びましたが、
血液がドロドロに汚れていては自然治癒力を十分に発揮することができません。

患者さんの食生活を中心とした日常生活を指導して整体の効果を高めるために、病気の原因と治癒の理論を学びましょう。

現代医学でも有名な医学博士も提唱している理論です。



第1節 病因(病気の原因)
 
 病気の原因 ↓                                   治 療  ↓

「万病一元、血液の汚れから生ず」 → 血液を浄化(不要物を排出する)

全ての病気の原因は、血液がドロドロに汚れることに起因すると言われます。
病気を治すには、血液の不純物を排出してサラサラな血液にすることです。

東洋医学の病因論に、三因論と言うものがあります。

① 外因    :六淫と言われ、気候によって病気になります。
           風暑火湿燥寒(ふうしよかしつそうかん)は身体を傷つけます。
                         風邪は肝を傷め、暑は心を痛め…。

② 内因    :七情と言われ、心の持ち方で病気になります。
           怒喜思憂悲恐驚(どきしゆうひきようきよう)の感情は身体を傷つけます。
                         怒は肝を傷め、喜んでばかりいると心が緩み…。

③ 不内外因 :①と②以外の病気の原因を言います。
           飲食・労倦(ろうけん)(=厳しい労働)・房事(セックス)・外傷など




第2節 血液を汚す原因
 

血液を汚す最大の原因は 

→ 「過食」「食い違い」と「冷え」「運動不足」「ストレス」が大きな原因です。
 
病気になると、自然治癒力が働き、

→ 「食べないこと」と「発熱」で血液浄化して病気を治します。
   食欲不振と発熱は、病気を治そうとする身体が要求する自然の摂理です。

食欲不振 … 病気の時は、食物摂取(せつしゆ)により血液を汚さないために食物を取らないように身体の自然治癒力が働きます。

そして、消化器官を休ませ排泄活動を活発にして、老廃物や身体にとって不要物を排泄して、      血液をきれいにします。

発熱   … 血液を汚す原因の過剰栄養物質や老廃物の処理を活発にして血液を浄化するためです。また、発熱すると白血球の働きが活性化して、ウイルスなどを排除します。

野生の動物は、病気になると食を断ち、熱を出し、じっとして治す術を知っているので、死ぬまで元気で過ごせます。
寝たきりキツネや脳梗塞で半身不随のタヌキはいないようです。



第3節 血液の汚れが病気をつくる

A. 過食 … 食べ過ぎのことです。摂りすぎた栄養物質により、次のような病気になります。   
            
過剰物質 = 脂肪⇒高脂血症・脂肪肝、塩分⇒高血圧、プリン体⇒高尿酸血症(痛風)、糖分⇒ 高血糖症(糖尿病)、コレステロール⇒女性ホルモン異常で乳癌・子宮頚癌・卵巣癌、男性ホルモン異常で前立腺癌



B. 食い違い … 個々の生物の食性に合った正しい食事をしないと、血液を汚します。⇒血液成分に過不足が生じます。

人間の持つ歯を考えれば、どういう食事が合っているか分かります。
歯の形状に従って、消化器官や排泄器官が用意されているのです。
肉食動物の腸は短く、草食動物の腸は長いのはこの為です。
欧米人と日本人の腸の長さも違うのですよ。
肉食の多い欧米人の方が短い腸を持ちます。

人間の歯 = 大臼歯3・小臼歯2・犬歯(けんし)1・切歯(=門歯2の配列で左右と上下に32本あります。

臼歯=穀物用、門歯=野菜・果物用、犬歯=肉・魚用⇒植物性食品を90%、動物性食品を10%が正しい食事です。

象や牛は草しか食べません。
平べったい歯しか持たないからです。
それでも大きな筋肉を持ちます。

ライオンやトラはとがった歯を持ち肉だけを食べます。

1960年代以降、欧米的に、肉・卵・乳製品を食べ過ぎるという食い違いが食習慣となり、血液中の成分過剰や老廃物の増加で血液の汚れがひどくなった結果、癌(がん)・脳梗塞(のうこうそく)・心筋梗塞(こうそく)・糖尿病・痛風・脂肪肝などの生活習慣病が激増しています。


C. 運動不足 … 運動不足で筋肉を使わないと、
→ 熱産生が低下して、体温が低下し血流不良となります。
→ 血液中成分の燃焼や老廃物の排泄が悪化して血液がドロドロになります。
→ 免疫を司る白血球の働きが悪化します。

体温を上げるには
→ 赤い筋肉と云われる遅筋(背筋や身体の深層に多い)を鍛えることで基礎代謝を活発にすることが重要です。
→ 適度な運動で、特に下半身の筋肉を働かせて、筋ポンプ作用により血流を促します。

注意  =  尿酸値の高い人は、エネルギー代謝が亢進すると尿酸が大量に産生されるので、有酸素運動を心がけましょう。


筋肉と静脈と神経は、ほとんど一体となって身体中に配置されております。

静脈の血液還流は筋ポンプ作用によるところが大きく、運動不足で筋肉を使わないと、体温が低下し、筋ポンプも働かなくなり、血流も悪くなります。

運動不足になると、筋肉は熱を発生しなくなり、身体が冷えて、血液中成分の燃焼や老廃物の排泄も悪くなって、血液が汚れてくることになります。

運動不足は冷えを引き起こし、肩こりや筋肉痛にもなります。
筋肉の冷えにより、疲労物質や発痛物質が局所に溜まってしまうからです。

反対に、運動で体温が上がると、栄養成分が燃えやすくなり、老廃物も排泄され、白血球の働きも活発になり、血液の浄化が進むます。

体温が上がると風邪などもひきにくくなり、自然治癒力も上がります。腋窩(えきか)(脇の下)の体温が36度以上を目指しましょう。


D. ストレス … ストレスを受けると、副腎髄質からアドレナリンなど抗ストレスホルモンが分泌さ             れ、ストレスに対抗しますが、その分だけ、免疫力を低下させます。
        
戦うための器官のみが活動し、生きるための器官の機能が低下します。      

その結果 → 排泄器官の機能が低下し、血液が汚れることになります。

ストレスは、副腎髄質からアドレナリンなど抗ストレスホルモンが分泌され、交感神経を刺激して、
血管を収縮し血圧を上げますが、免疫力を低下させます。



E. 冷 え  … 身体が冷えると、深部体温37度の平常体温で代謝、燃焼、排泄されていた栄養物質や老廃物が、正常に処理されなくなります。また、白血球の免疫機能も低下しますので病気になりやすくなります。

→ 老廃物や過剰物質で血液が汚れます。
→ 身体を温めて、老廃物を燃焼させ、血液を浄化することが必要です。





第4節 身体の反応 = 血液浄化作用(自然治癒力)


西洋医学で云う多くの病気は、身体が病気を治そうとしている活動自体を指すこともあります。

例えば、風邪の時の、くしゃみ・鼻水・咳・痰に対しては、これらを止める薬を使いますが、身体は、血液を浄化するために老廃物を排出したり、発熱して燃焼しているのです。  
   
また、湿疹・ジンマシン・化膿に対して、西洋医学では、抗ヒスタミン剤やステロイドホルモン剤で湿疹を止めようとします。

東洋医学では、葛根湯などで身体を温め発汗を促し、発疹の原因である老廃物を汗や尿とともに排泄させようとします。



第5節 身体から有害ミネラルを排出する = 解毒(Detox)


カドミウム・ベリリウム・水銀・砒素・鉛などの有害ミネラルは、脂肪細胞に結合し、代謝に関わる酵素の機能を低下させ、肥満・疲労・内蔵機能障害・老化などを引き起こします。

私達は、これらの有害なミネラルをなるべく摂取しないようにすることが健康を保つことです。
しかし、防腐剤・農薬・環境汚染・着色料・防酸化剤などを使った食品に囲まれており、また、自然の食品にも微量の有害物は含まれています。
普通の生活をしていると、否応なく、多くの有害ミネラルを摂取してしまっているのです。

そこで、身体から、有害ミネラルを排出することが重要となります。
これをデトックス(解毒)と言います。

解毒をするには、次のような力を高める必要があります。

    ①毒を運ぶ力を高める:特に下半身の筋肉を鍛えて、適度な運動をして、筋ポンプを働かせ、リンパ・静脈の流れを良くすることです。

  ②毒を解毒する力:解毒をする肝臓・腎臓の機能や泌尿器・排泄器の機能を高めることです。

  ③毒を排泄する力:毒を排泄する泌尿器・排泄器の機能を高めることです。

* 整体法は、血液循環を良くして、肝臓・腎臓・泌尿器・排泄器など内臓の調子を整える効果がありますので、解毒効果があると言えます。


患者さんに教えること

    ①舌運動:唾液に含まれるラクトフェリンが毒素の吸収を防ぎます。舌を良く動かし、唾液をたくさん出しましょう。
    ②毒抜きヨガポーズ:仰臥位、四肢を上げて細かく運動30秒を、1日に2ないし3回行うと良いでしょう。
   
    ③タマネギ:タマネギは最強の解毒物質ケルセチンを347mg/kg、リンゴは72mg/kg、ブロッコリーは30mg/kg含有しています。これらの解毒食品を食べるよう教えましょう。
                 
    ④肝臓・心臓の機能を高めるタウリンを多く含むイカ・タコ・貝や、中性脂肪を減少させ、血液をサラサラにするDHA(ドコサヘキサエン酸)を含む青魚を食すように教えましょう。



第6節 病気を防ぐ食材
 

1)糖尿病(Ⅰ・Ⅱ型に強力効果)
    黒米(シアニジンの抗酸化力)

2)癌
        ピーナッツの芽
        スプラウト(ブロッコリーの芽)

3)生活習慣病 = やせる    テレビの健康番組によると…
  
          特 賞  ガジュジュツ(紫ウコン)…シネオール 
    1等賞 ゴーヤ茶…共役リノレン酸    
    2等賞 エゴマ油(αリノイレン酸) 
           3等賞 氷豆腐…BCAA(アミノ酸の1種)
    4等賞 サメ油(シムノール)   
         5等賞  羊肉…カルニチン



第7節 断食療法の効果

 吸収は排泄を抑制します。断食により一時的に胃や腸を休ませると、排泄の方に エネルギーが 向きますので、大腸、腎臓、汗腺、皮脂腺、子宮、涙腺、口腔粘膜、鼻粘膜など排泄に関わる器 官の機能が増進します。

 循環器、呼吸器、内分泌系臓器、神経系が休息できます。

 体内の過剰物質や老廃物がエネルギー源として使われ血液が浄化されます。

 自家融解と言い、病変のある組織(腫瘍、炎症など)の蛋白質まで利用するようになると、病気 の組織は消失します。また断食は、白血球の貪食作用を高める研究結果もあります。

 消化吸収と排泄と云う相反する機能は、同時にうまく働きません。
 胃腸への血液供給が少なくなると、心臓の血液を押し出す量は少なくてすみ、心臓の負担も軽く なり、肺の酸素摂取も少なくてすみ、肝臓などの解毒器官も休息でき、体内の働きを統合してい  る脳や神経、内分泌系臓器も休息できます。

 養鶏場の鶏は、卵を産み始めて1年半で老鳥となり、卵を産まなくなり、廃鳥としていました。こ  の鶏に2週間の断食をすると、2%は死ぬが、残りは更に1年半ほど卵を産むようになります。こ れを強制換羽といいます。死ぬ2%もストレスによるもので断食は若返りの証拠にもなります。

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