2017年3月11日土曜日

整体実技|カイロプラクティック1 リスティング

カイロプラクティック1 リスティング

人体における脊柱などのフィクセーションやサブラクセーションを改善して、
これらに関連して起きている神経障害を排除し、筋肉や内臓の機能改善を目的とします。
棘突起と横突起をテコの力点として、変位を起こした脊椎を復位させる手技療法です。

カイロプラクティック(Chiropractic)は、1895年(明治28年)にダイエル・デビッド・パーマー日本整体師認定協会より創設されました。

最初は、多くの経験医学と同じように、医学界から様々な迫害に合いましたが、継承発展するにつれて、民衆の支持を得て、医学療法として認められるに至りました。

リスティングとは、サブラクセーション・フィクセーションの方向を表示することです。
サブラクセーションとは関節の亞脱臼、フィクセーションとは関節可動域の減少です。

第1節 腰椎・胸椎・頚椎の部分名称



                                                       
第2節 椎骨変位の徴候

 1.圧痛または
圧痛は押圧刺激による痛み、疼痛はそれ以外の自覚痛です。
疼痛は変位場所に生じる場合だけでなく、神経の末梢部に生じることもあります。
末梢部を支配するデルマトーム(脊椎分節)を調べましょう。

  2.椎骨近辺の筋肉の緊張
    回旋筋・多裂筋・脊柱起立筋などが緊張して脊髄神経や動静脈を圧迫します。
        関連組織の疼痛・痺れ・感覚異常となります。

 3.椎骨の不整列
    棘突起・横突起の不整列と関節の可動性の減少が見られます。



第3節 リスティング用語

R (右方) Right     L(左方)Left     A(前方)Anterior  P(後方)Posterior
S(上方)Superior    I(下方)Inferior      IN(内方)Internal  EX(外方)External



RP=脊柱椎体の右側が後方に変位

RPI=脊柱椎体の右側が後下方に変位

RPS=脊柱椎体の右側が後上方に変位

LP=脊柱椎体の左側が後方に変位

LPI=脊柱椎体の左側が後下方に変位

LPS=脊柱椎体の左側が後上方に変位    


PI=腸骨(Ilium)のリスティング
 PSISが仙骨に対して後下方
  腸骨の後方回転変位か下方変位

AS=腸骨(Ilium)のリスティング
 PSISが仙骨に対して前上方に変位
  腸骨の前方回転変位か上方変位

PIEX=腸骨(Ilium)のリスティング
 PSISが仙骨に対し後下方、外方に変位

PIIN腸骨(Ilium)のリスティング
 PSISが仙骨に対し後下方、内方に変位

ASEX腸骨(Ilium)のリスティング
 PSISが仙骨に対し前上方、外方に変位

ASIN腸骨(Ilium)のリスティング
 PSISが仙骨に対し前上方、内方に変位


   
第4節 脊柱(vertebraspinalspine)の名前

頚椎(Cervical vertebrae) 
略称  C1(第1頚椎) C2(第2頚椎) … C7(第7頚椎)    7

胸椎(Thoracic  vertebrae  
略称  T1(第1胸椎) T2(第2胸椎) … T12(第12胸椎)   12

腰椎(Lumber vertebrae) 
略称  L1(第1腰椎) L2(第2腰椎) … L5(第5腰椎)        5

仙椎(Sacral vertebrae     
略称  S1(第5仙椎) S2(第2仙椎) … S5(第5仙椎)      5

尾骨(Coccyx            
略称   Co                                                        1               


第5節 静的触診法(Static palpation)と動的触診(Motion palpation

静的触診
 1.棘突起の両側の筋肉
 2.棘突起
 3.横突起
 4.骨盤 (腸骨稜・PSISASIS・正中仙骨稜など)

 患者を伏臥位似させ、脊柱の不整列を調べます。
 ①脊柱両側の筋肉の状態(圧痛・コリなど)を調べます。
 ②棘突起の位置…中指で棘突起上を上から下に滑らせて検査します。
 ③横突起の位置…示指と中指で棘突起を挟むように上から下に滑らせて検査します。

動的触診
 1.関節の可動性が減少しているかどうかを触診します。
 2.指頭で目的の関節の動きを触診します。
例えば、ある椎骨右側を押すと動くが左側を押すと動きが悪い時は、LPと読みます。


第6節 アジャストメント(Adjustment

アジャストメントとは、変位を起こしている椎骨を元の位置に押し戻すことにより、緊張している筋肉、特に回旋筋などの深層筋(=揉んだり押しても容易には届きません)を緩めて、障害を受けている神経・血管の働きを正常にすることです。

アジャストメントの注意事項
 ①無理・無駄な力を加えないことです。
 ②患者さんの力を抜かせます。原則として呼気限界時に行います。
 ③矯正する椎骨以外の椎骨を動かさないようにします。
 ④瞬間的な急圧(スラスト=thrust)が必要となります。
正確に目的の椎骨を動かすにはハイスピードな手技が必要です。ダルマ落としの原理です。
筋肉が緩む理由=筋肉は、筋腱移行部にある腱紡錘という感覚受容器の働きで、急に引き延ばされると、筋肉が切れてしまうのを守るために、筋肉を緩めて防衛します。(参考:筋腹には、筋紡錘があり、急激な刺激に対して、筋肉が傷つかないように筋肉を硬くして防衛します。)
  ⑤相当に熟練した受講生のみが行って下さい。効果がありますが危険な手技です。
  患者さんを傷つけた場合は自己責任となります。


第7節 アジャストメントの事前準備=関節固定

アジャストメントを、
変位している椎骨の関節に正確に行うためには、
目標椎骨関節以外が動きにくいように関節固定をする必要があります。

関節固定ができれば、
正確な椎骨変位の施療が可能となります。

関節固定の一般的な順番

  ①ベッド側下半身の関節固定
ベッド側の下肢は少し膝を曲げ、腰部も軽く屈曲した体勢を取ります。
これがカイロプラクティックの基本姿勢です。

②天井側下半身の関節固定
   天井側の膝を持ち、目的椎骨に向かってテンションをかけます。

③ベッド側上半身の関節固定
     変位している椎骨に向かって、ベッド側の上肢を引っ張ります。


④天井側上半身の関節固定
      肩に手をかけて、目的椎骨に向かって、後下方にテンションをかけます。

以上の手順で身体の緩みを取って、呼気の限界でアジャストします。



詳しい実技手順は次のブログを参照して下さい。

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