カイロプラクティック4 胸椎の矯正法
【胸椎の矯正テクニック】
第1節 胸椎の弛緩テクニック
胸椎は、全般的に固い部分が多く、胸椎変位の検査・判断が困難である場合が多いのが臨床事情です。
それは、僧帽筋・広背筋・脊柱起立筋などが、胸椎に付着して縦横に緊張を及ぼしているからです。
胸椎の変位を判断するには、先ず、これらの筋肉を緩めておく必要があります。
胸椎全般に渡っては、深層筋である回旋筋・多裂筋を緩めることが一番大切ですが、
アジャストで緩めます。その前に、変位の検査を的確にするために、次の筋肉を緩めます。
上部胸椎では、僧帽筋・
菱形筋・板状筋、
中部胸椎では、僧帽筋・
広背筋、
下部胸椎では、広背筋・腰方形筋などを緩めておく必要があります。
胸椎のアジャストテクニックをする前に、
椎間関節をある程度弛緩させておくことが非常に有効です。
変位が分かりやすくなります。
①受者は伏臥位。受者の左横突起を、操者の右豆状骨で皮膚の緩みを取って押さえて固定します。
②右手で左側の横突起を固定すると、右側の横突起や肋骨が少し上がってきます。それを左豆状骨で押さえて前方に押しながら時計回り(clockwise)に捻ります。
リズミカルに上部から下部まで数回行います。
③次に、受者の右横突起を左手の豆状骨で押さえて固定します。
④右手の豆状骨で、上がってくる受者の左横突起を押さえて前方 に押ながら反時計回り(counter-clockwise)に捻ります。
リズミカルに常備から下部まで数回行います。
第2節 LPの矯正テクニック
胸椎では、特に棘突起と横突起の位置に注意して下さい。
例えば、T8の横突起の位置は、大体のところ、T7の両横の位置となります。
これを誤ると目的以外の椎骨を矯正してしまいます。
LPの場合は、先ず、左横突起に右豆状骨でコンタクトします。
次に、左豆状骨で右横突起にコンタクトして、主に右手で矯正します。
*RPの矯正は、コンタクトを左手から始め、主に左手で右横突起をアジャストします。
第3節 LPIの矯正テクニック
①ベッドの左側に立ち、操者は受者の左横突起を、IがSになるように、左斜め下方に緩みを取りながら、右豆状骨でコンタクトします。
②操者は左豆状骨を受者の右横突起に下方からコンタクトします。
③受者のLPIをLASに戻すように、反時計回りに捻りながら押圧し、そのまま、呼気の限界で右手中心にアジャストします。
第4節 RPSの矯正テクニック
①操者は、最終的に第3節のLPIと同じようなコンタクトを取りますが、
左右のコンタクト順番と捻りの方向が違います。
②先ず、操者は左豆状骨を受者の右横突起に、SをIにするように上方からコンタクトします。
③次に、操者は右豆状骨を受者の左横突起に下方からコンタクトします。
④受者のRPSをRAIに戻すように、時計回りに捻りながら押圧し、そのまま、呼気の限界で左 手中心にアジャストします。
①ベッドの左側に立ち、受者の右側の横突起に、IがSになるように、下方から左豆状骨でコンタクトします。
②右手は受者の左側の横突起に、上方からコンタクトします。
③RPIがRAIになるように、反時計回りに捻りながら押圧してアジャストします。
第6節 LPSの矯正テクニック
①操者はベッドの左側から、受者の左横突起にSがIになるように、上方から右手の豆状骨でコンタクトします。
②左手は受者の右横突起に、下方からコンタクトして、反時計回りに捻りながら押圧してアジャストします。
第7節 膝を使った胸椎矯正テクニック
下部胸椎では大変便利なテクニックです。特に、T10~T12は胸腰移行部で、動きが少なくなりやすい場所ですので、動きを付けていけば脊柱のバランスも良くなります。
(1)T12-LPまたはT12-RPの矯正法
②矯正する側の腕を下にして、受者の両腕を身体の前で組ませます。
③受者の背中を軽く屈曲させて、腕を後方に引きつけます。腕を引く方向はT12/L1(T12の真下)に向かってです。これが上方に向かうとT12の上の関節が動いてしまいます。T12の下の関節を動かす必要があります。この理屈はお分かりですね。
④受者の上半身を後方に倒し、膝でT12の体重を支え、呼気の限度でアジャストします。
(2)RPSの膝での矯正テクニック
後方に体重をかける時に、受者を右に側屈させてS変位を元に戻します。
更に、上半身のロックをとれないようにしながら少し左回旋させます。
ここで、もう一度後方に体重を乗せていき、膝を中心にアジャストします。
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